top of page

「地方消滅」(増田寛也前岩手県知事著)

衝撃的な本でした。メディアでも多数取り上げられ、“地方衰退”に関することは最近のテレビ番組でも頻繁にテーマに上がります。日本全国で896の自治体が消えていまうという内容です。さまざまなデータで裏付けされているので信頼性は高い研究内容だと思います。

 

若者が大学進学、進学の時期に地方を出ていく事象が最近加速しています。地元には魅力的な大学が少なく労働環境の良い会社も無いことから、自然な選択だと思われています。しかし地方にとって活力の源である「若者」が流出し地方の活力がなくなっています。地方都市は郊外の大型ショッピングセンター周辺だけが栄え、もともとあった商店街は廃れ始めています。中央資本にお金・若者・文化のすべてが奪われています。この現状を打破するための抜本的な解決策が求められています。

 

今の政府のスタンスは地方に権利を与えるから地方自治体の自由にして、という内容だと感じられます。しかしそれだと直接的な解決にはなりません。この問題は今すぐにでも政府が取り組まなければならない問題だと思います。企業を強制的に地方に移すとか、もっと大きな政策が求められているように感じます。

 

現在私が住んでいる岩手県は大学そのものが少なく、雇用先も十分ではありません。国立の岩手大学も偏差値があまり高くなく受験生に人気がありません。教員志望の人が入学する大学です。東北で成績の良い高校生は多くが東北大を第一志望にします。偏差値はそれなりですが教授のレベル、研究設備の質が高く、また東北大のある仙台市はそれなりに発展していて遊ぶところもあり、学びやすく楽しい大学生活を送れる環境だからです。

 

岩手県が若者を引き留めようと思うなら、まず大学のレベルを上げることだと感じています。教育内容を一層充実させる等して、今以上に質の良い大学教育を提供することが必要だと思います。地方再生・地方復興は「教育」から実現すると私は考えています。

bottom of page